宝物
- 2015/02/18
- 20:51
先日、ピアノコンチェルトの試験を終え、Konzertexamenの全ての課程を無事に終えることが出来ました。
試験というのはあまり好きなものではないですね;^^準備している時は毎日必死で、「早く終わってくれないかな……」と思うのですが、しかし終わってしまうとなんとも言えない寂しさと安堵感。毎回演奏の機会がある度にこの感覚に包まれますね。
来月の帰国、そしてその後にコンサートなどが日本で予定されていますので、今はまた新たなことに取り組み始めています。
卒業試験は大きな節目の一つですが、そこで終わるのではなく、次へのステップになるように反省し引き続き課題を克服していきたいと思っています。
今日は、この節目に私の宝物の一つをご紹介。

クリフォード・カーゾンのボックスCD。
実は、ラピツカヤ先生が亡くなって以来、御年81歳の名教授ゲオルク・サヴァ先生にもプライベートで師事しておりました。サヴァ先生はかつてベルリン芸術大学やハンス・アイスラー音楽大学でも教授をされていて、ラピツカヤ先生の親友でもあった方。ラピツカヤ先生はサヴァ先生のお招きによってベルリン芸術大学で教えられていたそうです。
ラピツカヤ先生亡き後、一体どうすればいいのか…と不安で心細い思いをしていた時、以前より素晴らしい先生と聞き、実は一度先輩のレッスンを見学させてもらっていたサヴァ先生にお願い出来ないかな、とふと思いついたのがきっかけでした。
先輩を介してサヴァ先生にお願いをさせてもらい、大変快くお返事をいただき、師事して1年半ほどになります。
学校で師事していたグロー教授は昨年4月より新しくベルリン芸術大学に迎えられ、私はそれからグロー門下生になったのですが、素晴らしいサヴァ先生の教えに感激し、引き続きサヴァ先生のレッスンも受けさせてもらっていました。
先生はとってもチャーミングで、いろいろなことに興味をお持ちで、スマホやアイパッドも使いこなし、車やバイクもガンガンぶっとばしてしまうような方で(笑)最近は電動自転車にはまっているようです;^^ ちょっと心配。
レッスンではYoutubeで動画を観たり、CDを聴いたり、DVDを観たりすることもあるのですが、このカーゾンのCDも毎回レッスン後に二人で少しずつ聴くのが楽しみな一枚でした。
昨秋、リストのソナタがなかなか思うように仕上がらずに悩んでいた私に、先生は「ひどいところもあるけど笑わないでね」と言いながら、かつてのご自身の演奏のテープを聴かせてくれました。
情熱的で明確な構成、何より先生のお人柄がそのまま伝わってくるような演奏で、若い頃の先生の姿を思い浮かべながら、一体今までどれだけのことを乗り越えていらしたのだろう…と思いを馳せると、悩んでいる自分がちっぽけな存在に思えてきました。
さりげない優しさと大きさに、思わず涙。今まで先生の前で泣いたことはなかったのですが、言葉を超えたいろいろな思いが込み上げてきました。
「まるでその場で作り上げたかのように、即興的に演奏出来たらいいよね」とコソット囁かれ、悩んでいた私に勇気をくれました。
まさにその時に何かが吹っ切れ、悩みも解決することが出来たのですが、今でもニコッと笑いながら言って下さったことを忘れられません。
そして、「もうすぐ誕生日だよね、これプレゼントだよ」とその場にあったこのCDをプレゼントしてくれたのです。

その後、リストのソナタを演奏する時、一番好きな箇所でこの時の先生の姿をイメージすると不思議と自然に弾けるようになりました。
今後も、いろいろーな場面でヒョコッと先生の姿が勇気付けてくれそうです。
ちなみに、写真の電気の少し下あたりにぶら下がってる赤色(オレンジっぽい)と白色のものは鶴なのですが、私がプレゼントしたものです。
本当は眼鏡拭きなんですが、こうして飾って下さっているみたい^^
京子
試験というのはあまり好きなものではないですね;^^準備している時は毎日必死で、「早く終わってくれないかな……」と思うのですが、しかし終わってしまうとなんとも言えない寂しさと安堵感。毎回演奏の機会がある度にこの感覚に包まれますね。
来月の帰国、そしてその後にコンサートなどが日本で予定されていますので、今はまた新たなことに取り組み始めています。
卒業試験は大きな節目の一つですが、そこで終わるのではなく、次へのステップになるように反省し引き続き課題を克服していきたいと思っています。
今日は、この節目に私の宝物の一つをご紹介。

クリフォード・カーゾンのボックスCD。
実は、ラピツカヤ先生が亡くなって以来、御年81歳の名教授ゲオルク・サヴァ先生にもプライベートで師事しておりました。サヴァ先生はかつてベルリン芸術大学やハンス・アイスラー音楽大学でも教授をされていて、ラピツカヤ先生の親友でもあった方。ラピツカヤ先生はサヴァ先生のお招きによってベルリン芸術大学で教えられていたそうです。
ラピツカヤ先生亡き後、一体どうすればいいのか…と不安で心細い思いをしていた時、以前より素晴らしい先生と聞き、実は一度先輩のレッスンを見学させてもらっていたサヴァ先生にお願い出来ないかな、とふと思いついたのがきっかけでした。
先輩を介してサヴァ先生にお願いをさせてもらい、大変快くお返事をいただき、師事して1年半ほどになります。
学校で師事していたグロー教授は昨年4月より新しくベルリン芸術大学に迎えられ、私はそれからグロー門下生になったのですが、素晴らしいサヴァ先生の教えに感激し、引き続きサヴァ先生のレッスンも受けさせてもらっていました。
先生はとってもチャーミングで、いろいろなことに興味をお持ちで、スマホやアイパッドも使いこなし、車やバイクもガンガンぶっとばしてしまうような方で(笑)最近は電動自転車にはまっているようです;^^ ちょっと心配。
レッスンではYoutubeで動画を観たり、CDを聴いたり、DVDを観たりすることもあるのですが、このカーゾンのCDも毎回レッスン後に二人で少しずつ聴くのが楽しみな一枚でした。
昨秋、リストのソナタがなかなか思うように仕上がらずに悩んでいた私に、先生は「ひどいところもあるけど笑わないでね」と言いながら、かつてのご自身の演奏のテープを聴かせてくれました。
情熱的で明確な構成、何より先生のお人柄がそのまま伝わってくるような演奏で、若い頃の先生の姿を思い浮かべながら、一体今までどれだけのことを乗り越えていらしたのだろう…と思いを馳せると、悩んでいる自分がちっぽけな存在に思えてきました。
さりげない優しさと大きさに、思わず涙。今まで先生の前で泣いたことはなかったのですが、言葉を超えたいろいろな思いが込み上げてきました。
「まるでその場で作り上げたかのように、即興的に演奏出来たらいいよね」とコソット囁かれ、悩んでいた私に勇気をくれました。
まさにその時に何かが吹っ切れ、悩みも解決することが出来たのですが、今でもニコッと笑いながら言って下さったことを忘れられません。
そして、「もうすぐ誕生日だよね、これプレゼントだよ」とその場にあったこのCDをプレゼントしてくれたのです。

その後、リストのソナタを演奏する時、一番好きな箇所でこの時の先生の姿をイメージすると不思議と自然に弾けるようになりました。
今後も、いろいろーな場面でヒョコッと先生の姿が勇気付けてくれそうです。
ちなみに、写真の電気の少し下あたりにぶら下がってる赤色(オレンジっぽい)と白色のものは鶴なのですが、私がプレゼントしたものです。
本当は眼鏡拭きなんですが、こうして飾って下さっているみたい^^
京子
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